1764年、時のフランス国王ルイ十五世は、メス司教ルイ・ド・モンモランシー=ラヴァルに対してロレーヌ地方にガラス工場を設立する許可を与える。

当時、フランス国土の大部分は王侯貴族と教会に属していた。造船業の主材料となる木材は経済の中心部分をなしており、森林資源の産業利用には国王の特別許可が必要だった。

バカラ村におけるガラス工場開設の背景には、七年戦争により疲弊したロレーヌ地方の経済の立て直しと、ボヘミアのガラス産業への対抗という緊急の目的があった。

しかし、フランス革命の勃発と皇帝ナポレオン一世による諸戦争の結果、バカラ村のガラス産業は失敗する。

1816年、工場は若き実業家エメ=ガブリエル・ダルティーグの手に渡り、クリスタルガラス工場に姿を変える。この時以降、バカラはフランスの装飾美術史の中で重要な役割を果たしていくことになる。



花瓶「マルベリー」一対1904年
Vases Mures
型吹き、タイユグラヴュール、青銅に鍍金
高さ:24cm
最大径
:20cm
Inv.No.2136
(左)花瓶「マルベリー」のための習作 バカラ記録保管所

花瓶「オセアニア」1993年
Vase Oceania
トーマ、バスティード
Thomas Bastide
型吹き、鋳込成形、カット、ミレフィオリ
高:20cm
幅:20.5cm
奥行:9.5cm
バスティード(1954-)は、1982年からバカラで制作している。アメリカのピルチャック・グラス・スクールで講習を行うなど後進の指導にも力を注いでいる。

花瓶「竹」1878年
Vase Bambous
宙吹き、カット、タイユグラヴュール
高さ:28.7cm
幅:18.2cm
奥行:11.2cm
Inv.No.484
1878年パリ万国博覧会出品